キリマンジャロ(13)-アタック日その5

この続きです。

2018.01.04(木) 入国6日目 登山5日目

日が出て明るくなってきました。

ギルマンズポイントからウフルピークまでは、標高差は200mぐらいやけど、アップダウンを繰り返します。

足元はずっと雪で、うっかりすると火口側に滑落してしまうような場所もあって、気は抜けません。

そしてまたときどき吐いていました。

あとでほかのメンバーさんに聞いた話だと、自分は話しかけても反応がなく、「ぼろぼろだった」ということでした。

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ギルマンズポイントから2時間ほど歩いた7:15にウフルピーク(標高5895m)に到着。

着いた・・・

ほかのメンバーさんにもいろいろ大変なことがあったようやけれど、結局誰もリタイヤせず、全員ウフルピークまでたどり着くことができました。

あとでわかったことですが、このマラングルートでの全員登頂は、西遊旅行史上初の快挙だったそうです。

キリマンジャロ(12)-アタック日その4

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2018.01.04(木) 入国6日目 登山5日目

「はやしさんはここまでにしましょうか。」

そうか。客観的に見るとそうなってしまうのか。

涙が出てきました。というより、嗚咽。

ちょっと遠いけど、ウフルピーク、向こうに見えてるじゃないか。

登山口からここまでの標高4000m分の道のりや、その前の9月からの準備が思い出されました。

もともと山頂まで行くことにそんなにこだわりはないと思っていて、まわりの人にもそう話していたけれど、自分はこんなにもウフルピークまで行きたかったのか。

鳥人間コンテストとかで、思ったような記録が出せなかった人が泣いたりしているのを見て、自分の中にそういう気持ちはないんだろうなと思っていたけれど、そうではなかったんだと意外な気持ちにもなりました。

「もう少しだけ、行けるところまで行ってみましょうか。」

そうだ。自分の身体感覚では納得できていないので、もう無理だって思えるところまで行かせてもらおう。あわよくば、いや、血を吐いてもウフルピークまで行ってやる。

全体的にぼんやりしているアタック日の記憶の中で、「血を吐いても」と自分の中で表現したことはよく覚えています。胃液を吐いていたから、そこからの発想かな?

キリマンジャロ(11)-アタック日その3

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2018.01.04(木) 入国6日目 登山5日目

雲が切れて、月が出てきました。急斜面の先の方が見えてきました。

何時出発のチームなのか、ずっと上の方にも人が見えます。

「ギルマンズポイントまであと2時間ぐらいです。」

このあたりになると、ふつうにゆっくり歩き続けるということができなくなっていて、

  • 止まって4回大きく呼吸をする
  • 4歩歩く

というような進み方をするようになっていました。

アイスクライミング用の手袋をしているのに、寒さで指先が痛くなってきたので、手を引っ込めて温めるためにトレッキングポールを使うのを途中でやめたような気がします。
(フランシスさんに渡した?)

ふらふらして道を踏み外しそうになったときに、後ろから誰かが支えてくれたような気もするし、それは自分でなく誰かがそうなったのを見ていただけのような気もします。

そしてときどき道端に吐いていました。

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キボハットを出発して約6時間後の5:18に、火口のふちのギルマンズポイント(標高5685m)に到着しました。

「おめでとうございます。よくがんばりましたね。はやしさんはここまでにしましょうか。」

キリマンジャロ(10)-アタック日その2

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2018.01.04(木) 入国6日目 登山5日目

日付を変えておきます。

キボハットから先の急斜面でのできごとは、記憶が混濁していて起こった順番がよく思い出せないです。

でも意識がはっきりしていた自覚はあって、プライベートポーターのフランシスさんからときどき

「眠るな!」

と言われたのですが、そのたびに「眠さは全然ないんだ」と返事をしていた記憶があります。

途中休憩のときに座ってしまうと、立ち上がったときにめまいで気が遠くなるので、あまり座りたくありませんでした。

1時だったか2時だったかの休憩のとき、キボハット出発前に飲んだバファリンが切れて頭痛がまたしてきていたので、現地の頭痛薬をもらって飲みました。

「これ相当強いので、下りるまでずっと効いていると思います。」

歩いていると吐き気がして、胃液を何度も吐きました。年越しそばが出なかったので、あれはちゃんと腸まで行ったんやなと思った覚えがあります。

「標高5200mです。」

スマホのGeographicaの標高アナウンスは、それが最後になりました。

キリマンジャロ(9)-アタック日その1

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2018.01.03(水) 入国5日目 登山4日目

22時起床。標高約4700mのキボハットにて。

途中どれだけ天気が悪くても、アタック日だけは晴れて!とずっと思っていたのですが、このとき霧雨でした。

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もともとは年越しそばとして用意してくれてはったカップそばをいただきます。おいしー。

頭痛がするので、手持ちの最後のバファリンを飲みました。

最後のアタックのときには、50ドルで手荷物も全部持ってもらえるプライベートポーターというシステムがあったので、遠慮なく利用させてもらいます。フランシスさんよろしくお願いします!
(山小屋でしか使わないような大きな荷物を運ぶポーターさんが、アタックのときは出番がないので、その空いた手を使わせてもらう感じです。)

ふつうならここで手ぶらになるんですが、自分の場合はカメラをリュックのショルダーストラップに固定してあるので、そのために空のリュックを背負うことに。

ここでアタックルートのおさらい。

ここキボハット(標高約4700m)から、火口のふちのギルマンズポイント(標高5685m)まで、これまでとはうってかわった急斜面を登ります。

ここが富士山でいうところの鳥居のところ。ここまでで一応登頂証明はもらえます。

その先は体調に余裕があれば、本当のアフリカ最高峰のウフルピーク(標高5895m)まで火口をぐるっと回ります。ここが富士山でいうところの剣ヶ峰(標高3776m)。

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ヘッドライトで足元を照らしつつ、ギルマンズポイントを目指して、急斜面をななめにジグザグ登ります。しばらくすると、天気は雪になってきました。

足が冷たくなってきたので、節約さんに事前にいただいていた貼るカイロをつま先に入れます。

体も寒くなってきたので、ダウンのようなものを1枚追加で着込みます。

ウィルヘルムはぬかるみで滑って登りにくかったけど、キリマンジャロは雪で滑って登りにくくなってきました。