ブータン見聞録(17)-最後の桃源郷(後編)

これで終わりです。

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もし本物の桃源郷があったなら、それはどんなものだろうということを向こうでずっと考えていました。

たぶん求めすぎ・与えすぎのサイクルですりへらされるような社会でなく、仏教の教えのようにつつましやかな暮らしをみんなが営んでいそうです。

求めすぎないことは命に対してさえもそうで、人が30年ぐらいの本来の寿命で死ぬことを受け入れます。そのために、思想の中で「天国のインフラ」が整備されているのでしょう。

そして、住んでいる土地の地力に見合った人数だけで、外の力を借りずに暮らしています。

これらのうちいくつかは、ブータンにも当てはまっている気がします。

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税金がほとんどないのに学校や病院が無料と聞くと、前に行ったブルネイのことを思い出します。

あそこは天然ガスという地力に支えられてのことやけど、ブータンの場合それに相当するのは、ヒマラヤの立地を生かした水力発電と観光。

それに加えて、日本・スイス・オランダから援助を受けて国を支えています。いじわるな見方をすれば、日本人が残業した労力で、ブータンの人は残業をせずにすんでいるとも言えるかもしれません。
(ブータンには車にも税金がかからないので、質のいいトヨタ車ばかりをみんな買っていた時期があったそうです。でも車のトヨタ率が高いと貧しい国だと認めてもらえなくなって援助が打ち切られかねないので、トヨタ車にだけ税金をかけるようになったのだとか。)

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それで今のブータンの人が不自由のない暮らしをしているのかというと、カルマちゃんを見るとどうもそういうわけではないらしい。

詳しいことは聞けなかったけど、学校が無料であっても、子供を働きに出さなければならないような事情のある家庭が全然ないというわけではないようです。

「ブータンに生まれてきてよかったと思いますか?」という質問に、クサナギくんも明言をさけて、

「ブータンは発展途上国ですから。」

と言っていました。

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おそらく今回見たブータンは今だけのブータンで、発展「途上」という通り、発展(=多くを与えるものが勝ち、求めすぎを誘発する社会)の方向にゆるやかながらかもしれないけれど向かっていくのでしょう。

そんな中で、ユニークなセンスを持つ王様のかじ取りをする先にどんな未来が待っているのか、また確かめに来てみたいです。
(旅行制限がゆるくなって来やすくなっているかも?)

そのときはまたクンガさんよろしくお願いします!

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