自動販売機が職場の階段を上ってきた。
二宮金次郎が背負っているしょいこを畳ぐらいにでかくして、背中の部分にキャタピラをつけたような道具に乗ってコカコーラが迫ってきた。
踊り場ですれ違った。なんだかうれしかった。
おそらくほとんどの人が、一度も自販機と階段ですれ違うことなく人生を終えるのだろう。
つまり人生の勝ち組に仲間入りをしたのだ。家に帰ったらセバスチャンがドアを開けてくれるのだ。ドアの向こうには、赤じゅうたんの敷かれた広い階段が、主人の靴に踏まれるのを待っているのだ!
コカコーラは今、暗かったトイレ前の通路をまぶしいぐらいに照らしている。
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