サハラ砂漠縦断回想録(7)-遭難

2002.01.08(火)の話です。

パブリックカー

ヌアディブからヌアクショットに向かう「パブリックカー」は、満員になるまで出発しないアフリカンスタイルに準拠した公共交通手段でした。正式名称不明。

車はトヨタのランドクルーザーで、本来は運転席と助手席の2人乗りの車なんですが、助手席に2人・屋根に4人・荷台に18人の計25人乗りでようやく「満員」となりました。出発は確か正午ごろ。

自分は荷台の左の一番後ろのふちに内向きに腰かけるポジションだったんですが、つらいのが床に片足しかつけなくて安定した姿勢が取れないこと。道なき荒野を行くので、ときどき岩盤の段差なのか落ちていた石なのかで大きくバウンドします。

砂でタイヤが空回りして、何度かみんなで降りて車を押すこともありました。

最初3日分の食料をビニール袋に入れて持っていました。体勢的には太ももの上に置くしかなかったんですが、何時間もゆられると重みからくる痛さに耐えきれなくなってきたので、ペットボトルの水だけを残してすべて砂漠に捨ててしまいました。

神罰

モーリタニアは、モロッコなど北アフリカ諸国と同じくイスラム教の国です。自分以外は現地の方なので、時間になるとみなさん車から降りてメッカに向かってお祈りをします。

車は日が暮れてまっ暗になっても走り続けていたんですが、21時ごろに何かかたくて大きなものを踏み越えたのか、この日最大のバウンドがあって車が動かなくなりました。

また降りて押さないとと思っていると、誰かが後ろの方に走っていってタイヤを転がして戻ってきました。

ああ、このタイヤを踏んだのか。

と最初は思ったんですが、車軸の部分が熱で赤く光っています。

え、もしかして、このタイヤってこの車の・・・?車軸が折れた!?

「お前がちゃんとお祈りをしないからだ。」

追記 2023-08-11

リアルタイムメモが見つかったので、詳しい情報を補足しています。

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