「収奪された大地」を振り返る

中南米の復習として読み始めた「収奪された大地」ですが、図書館で2回借り直しをしてようやく読み終わりました。

頭の整理のために振り返りをしておきます。

ざっくりとした内容

中南米の国々は、先進国(主にイギリスとアメリカ)に富を吸い上げられるようなしくみを各地で手を変え品を変え埋め込まれ続けてきていて、それが今も残っている。

その影響から逃れようとするこころみは数多く行われてきたけれど、超法規的な手段も使ってことごとくつぶされてきた。

この「各地で手を変え品を変え」や「ことごとくつぶされ」の事例の積み上げがこの本の分厚さになっています。

アメリカと中南米のちがい

同じ「新大陸」の中でも、中南米はヨーロッパから搾取されることになったけど、アメリカはそうはなりませんでした。

このちがいについては本文でも直接触れられていたけど、中南米には豊かな資源が見つかったのでヨーロッパからがっちり管理されることになって、アメリカには最初何も見つからなかったので放置されたということが運命を分けたようです。塞翁が馬。

麻薬の話

中南米の歴史の本ということで、麻薬カルテルの話とかも出てくるかと思ったんですが、麻薬の話題自体ほぼ出てきません。

ナルコスで出てくるような、コロンビアの麻薬カルテルがアメリカにコカインを売って利益を得るという行為って、アメリカ視点からするとただ「中南米に悪いやつらがいる」という話になるんだと思います。

でもアメリカから経済的な「毒」を注入されて不幸を押しつけられてきた数世紀分の恨みつらみに対する反撃だと見ると、「アメリカ人に悪いことをして申し訳ない」とは絶対ならないだろうなとは思いました。

いろいろわいてきた疑問

この本は「中南米にはよくなるきざしが見られる」みたいな話が何もないまま終わるんですが、この翻訳元の本が最初に出版されたのは1971年。

実際見てきたように中南米は今も治安がよくないので、「多くの人が幸せ」という状態にはなっていないとは思うけれど、近年のBRICSが台頭してきている状況は著者的にどういう位置づけになるのかは気になるところ。

あと、中南米やアフリカでの欧米の容赦なさを見ていると、明治に開国した日本はよく植民地にされずにすんだなあと思いました。

明治の人たちがよっぽどうまく立ち回ったのか、アメリカが搾取されずにすんだみたいに、あまりおいしくないと見なされたのか。

欧米のふるまいが鬼畜のごとく見えてしまうけれど、そちらはそちらで「営業成績を上げようとするとそういう手を採るしかなかった」とか「競争原理がそっちへ向かわせているだけなので、自分がやらなくても別の誰かがやっていた」とか、そういう事情だったりするんかなあ。

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