キリンに救われる

回想シリーズ第15夜。

2001.06.23後編

「ただし・・・300ドル出したら見逃してやってもいいぞ。」

・・・なるほど。ほんまに有罪かどうかはどうでもよくて、最初からこれが目的やったんやな・・・

タンザニアの1人当たりの平均GNPは100ドルぐらいやから、300ドルゆうても年収3年分ぐらいあるわけか・・・

入社までまだ半年以上あるから、裁判でちゃんと戦ったろうやん!とも本気で考えたけど、今日の15時に人と会う約束をしてたんで、300ドル出してでもこの状況を抜け出す選択をしました。

(あとでまともな筋から聞いた話だと、ここで払わなくて問答無用で刑務所入りになってしまった例があるのだそうです。)

「こいつら2人は前科者で、最近出所したところなんだ。」

2人は本気で泣いています。

「頼むよ。俺たちの分も払ってくれよ・・・」

残念ながら、そんなお金も義理もないです。

とにかく300ドルも現金を持っていないというと、ATMのところへ連れて行かれました。

お金が出ないのはわかっているけど、一応ポーズだけは。

これであきらめてくれないかと期待したけど、財布の中を全部見せろと言われ、トラベラーズチェックが見つかってしまいました。

でもラッキーなことに今日は土曜日。銀行が開いていないので現金化できません。

「空港でなら土日でも換金できるだろう。」

くっ。そんな手があったか。

車はまっすぐ空港へ。そこでトラベラーズチェックを換金した300ドル分と、もともと財布にあった全額を没収されました。

「ほら、宿には送ってやる。」

といって、シンザまで送られました。

・・・

出発前、当時バイトでいっしょだった子にアフリカに行くなら何かキリングッズがおみやげにほしいと言われていました。

タンザニアシリング札の中にはキリンをモチーフにしたものがあったので、おみやげ用に何枚か財布ではなくパスポート入れの方によけて入れていました。

これで1日分の宿代と、町へのバス代にはあてられるか・・・

あと、換金せずに残っているトラベラーズチェックと合わせても10日分の生活費しか残っていません。食費を1日10円ぐらいに切り詰めれば、ぎりぎり11日持つぐらい。

(クレジットカードの使用可能額が回復するのは、翌月支払日の7月10日です。17日後。しかもその日に引き落とされるのは、6月の締め日以前に使った分だけなので、大して回復しません。)

帰国のチケットが買えないのは当然として、このままいけば宿も追い出されて、食べるものもなくなってしまいます。

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