もしもあのとき晴れていたら

2006.11.07のお話。
お気に入りのエピソードです。

アンデスのジャージの子

雨でずぶぬれになったマチュピチュから、バスで下山してきました。谷底の鉄道駅のあたりもやっぱり雨です。

夜行に乗ることを考えると、もうこれ以上ぬれたくないので、バスの出口から一番近くの食堂に駆け込んでお昼にすることにしました。

注文をしてふと時計を見ると、帰りの電車まであと1時間。

そういえば昨日のクスコのお昼は出てくるのが遅かったなあとメモを見返してみると、注文してから40分かかっています。

だんだん混んできたし、これは食べる時間がないことも覚悟しとかなあかんのかな・・・

そんな心配をしていると、10分もしないうちに、ジャージ姿のちっちゃい三つ編みの女の子がお皿を持ってすたすたと歩いて来ました。

そしてニコッと得意げな顔をして、注文の品をコンと置いて去っていきました。

・・・心が読まれてた!?疑ってごめ~ん。

食べ終わったころには、さっきの子がつまようじを持ってきてくれました。

大人の店員さんにお金を払うと、おつりの持ち合わせがなかったみたいで、近くのお客さんをあちこちあたって工面してまわっていました。

大丈夫かな?という目を向けると、ジャージの子が「おつりは待って!」というように、手のひらをこっちにビシッと向けて制止します。頼もしい~!

・・・

最後に駅に戻ろうと思ったときには、まだ雨が降っていました。

駅までの間には川があって、橋が2本見えます。どうもその橋は建物から出ているのか端が見えないので、どうやって渡ったらいいのか、このお店からはわかりません。

渡ろうと行ってみた橋が実は渡れなかったりするとぬれ損になってしまうので、どうしようかなあと困っていると、さっきのジャージの子が

「どこへ行きたいの?」

と聞いてきました。

「あの駅へはどうやって行ったらいいのかな?」というと、おいで!というように、かさも差さずにすたすたと雨の中へ走っていきました。

上着をかぶせてあげながら追いかけると、ぐるっと回り込んで橋をコンコンとのぼり、川を渡ってあっという間に駅に到着。

そしてニコッとどこかに去っていきました。

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